1. 【年金】受給開始のタイミングは、前倒し・後ろ倒しができる
老齢年金の受給開始年齢は原則65歳です。ただし、受け取るタイミングを早める「繰上げ受給」、逆に後ろ倒しにする「繰下げ受給」制度により、60歳から75歳の間で選ぶことができます。2つの制度を整理していきましょう。
2. 【年金】繰上げ受給で「早くもらい始める」
まずは、受け取り開始の年齢を早める「繰上げ受給」から。
日本年金機構のホームページによると、繰上げにより減額される年金額は、老齢基礎年金の額(振替加算額を除く)、および、老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)に以下の減額率を乗じることにより計算します。
減額率(最大24%)=0.4%✕繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数
つまり、受け取り開始を1カ月早めるごとに0.4%減額となり、1年繰り上げると4.8%減額、下限の60歳まで繰り上げると24%の減額になります。
年金を早くから受け取る代わりに受給額は減る、というわけです。
リタイヤから年金受給までの生活に困る場合には、検討してもよい制度といえるでしょう。ただし、いったん決まった減額率が生涯(65歳以降も)変わらない点には注意が必要です。
次では、受給開始を遅くする代わりに年金が増える、「繰下げ受給」についてお話しします。