3. 【年金】繰下げ受給で受取額は「最大84%」まで増える
「繰下げ受給」は、年金受給のタイミングを後ろ倒しにする代わりに、受給額が増える制度です。
2022年4月、受給開始年齢の上限が70歳から75歳まで引き上げられました。
繰下げ受給をした場合の加算額は、老齢基礎年金の額(振替加算額を除く)、および、老齢厚生年金の額(加給年金額を除く)に以下の増額率を乗じることにより計算します。
増額率(最大84%)=0.7%✕65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数
つまり、受け取り開始を1カ月遅らせるごとに0.7%増額となり、1年繰り下げると8.4%、70歳まで繰り下げると42%増額、上限の75歳まで繰り下げると84%の増額となる計算です。
年金の受け取りを遅らせれば遅らせるほど、もらえる額は増えていくわけです。
3.1 【繰下げ受給】年金額180万円の人が75歳まで繰り下げた場合
例えば、年金額180万円の人が、年金を受け取り始める年齢を65歳から75歳に遅らせた場合、本来の年金額「180万円」に「151万2000円」が加算され、合計「331万2000円」の年金がもらえる計算になります。
2倍近い増額となるので、メリットを感じる人は多いかもしれません。
ただし、受給開始までの生活費の工面についてはもちろんのこと、年金額が増えることで税負担や社会保険料の天引き額も上がる可能性がある、といったデメリットについても目を向けていく必要があるでしょう。