4. 80歳以上のお金事情からわかること
ここまで80歳以上の年金受給額や生活費をまとめていきました。
誰もが平均通りの生活をするわけではないものの、実際「生活に困る」と答えた80代は他の年代より少ない傾向にあります。
「年金だけで生活できる」という時代は確かにありましたが、今後期待するのは難しいでしょう。
年金受給額が今後減っていくことを考え、自分で老後資金を備える必要があります。
老後資金はしばらく使わないお金になるので、銀行預金だけでなく資産運用に回すというのも一つでしょう。
昨今の物価上昇は財布へのダメージも大きいものですが、このままインフレが起きれば「手元にある1000万円が数十年後には600万円の価値に下がる」ということもありうるのです。
こうしたリスクを避けるためには、預貯金だけでなく保険や資産運用にバランスよく振り分けることが重要になるでしょう。
ただし、資産運用にもリスクはあります。最近では国が勧める「iDeCo」や「つみたてNISA」などが人気ですが、流行っているからという理由でリスクの知識なしに始めるのはおすすめできません。
制度の特徴やメリット、さらにはデメリットもしっかり把握できるように、まずは情報収集から始めてみましょう。
参考資料
- 総務省「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
太田 彩子