退職金の受取時期が異なるケース2. 1回目の受け取りと2回目の受け取りの間が1年以上空いている
受け取る退職金(退職一時金)の種類によって異なりますが、確定拠出年金の一時金の場合は20年以内、それ以外の退職金もしくは退職一時金の場合は5年以内に別の退職金を受け取っていた場合にはその重複期間における退職所得控除を使うことはできなくなる点に注意が必要です。
例えば、上と同じように33年間勤続した会社から2000万円の退職金を受け取り、その7年後に企業型確定拠出年金の一時金300万円を受け取った場合の退職所得控除額および退職所得金額の計算方法は以下のとおりです。
退職金の計算:最初に受け取った2000万円
- 退職所得控除額=800万円+(70万円×(33年-20年))=1710万円
- 退職所得金額=2000万円-1710万円=290万円÷2=145万円
企業型確定拠出年金の一時金の計算:7年後に受け取った300万円
- 企業型確定拠出年金の加入期間に応じた退職所得控除額=40万円×15年=600万円
- 重複期間(企業型確定拠出年金の加入開始から前回の退職金を受け取るまでの期間:10年)に応じた退職所得控除額=40万円×10年400万円
- 最終的な退職所得控除額=600万円-400万円=200万円
- 退職所得金額=300万円-200万円=100万円÷2=50万円
このように、2回目に受け取った退職所得金額の計算においては、重複期間を考慮する必要があります。
また、最初に受け取った退職金において退職所得控除額が多く、最終的に引き切れなかった部分が残っている場合は、その部分を考慮した「みなし勤続年数」との重複期間を算出したうえで、最終的な退職所得控除額および退職所得金額を算出します。