人生100年時代の昨今、定年後の還暦60歳を過ぎても働く人は増えています。とはいえ、多くの人がリタイヤを一旦迎える60歳で、老後の生活にはじめてしっかり向き合う方も多いのではないでしょうか。
2019年に話題となった「老後2000万円問題」もあり、老後に向けた資産形成を課題に感じてる人も多いと思います。
そんな中、PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)は2021年6月、「2020年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」の結果を公表しました。還暦を迎えた1961年生まれの男女2000人を対象としたこの調査の内容を見ていきましょう。
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1. 定年60代の貯蓄「平均3000万円以上」に潜むピンキリ
現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞いたところ、「100万円未満」(25.0%)に最も多くの回答が集まりました。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
そのほか、比較的回答が集まった金額は下記の通りです。
- 「100~300万円未満」(10.7%)
- 「500~1000万円未満」(12.2%)
- 「1000~1500万円未満」(10.6%)
- 「2000~2500万円未満」(7.8%)
- 「3000~5000万円未満」(7.5%)
- 「5000万円~1億円未満」(8.4%)
- 「1億円以上」(9.0%)
なお、貯蓄平均は3026万円でした。
昨年の調査結果と比較すると、貯蓄額の平均は52万円(3078万円→3026万円)の減少、「100万円未満」と回答した割合はと、4.2ポイント(20.8%→25.0%)の上昇となりました。
2. 定年60代「おひとりさま」貯蓄の実態
世帯構成別にみると、「100万円未満」の割合は、おひとりさま世帯では32.9%と、他の層と比べて特に高い結果となりました。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
※世帯構成の分類は以下の通り。
- 「おひとりさま世帯」:子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいない層
- 「夫婦2人世帯」:子どもがいないか子どもと別居しており、配偶者がいる層
- 「子育て期世帯」:未成年、または就業していない20代の子どもがいる層
- 「子どもと同居世帯」:就業している20代、または30歳以上の子どもと同居をしている層
その他の世帯は、「子どもと同居世帯」22.7%、「子育て期世帯」22.5%「夫婦2人世帯」22.0%と続きます。おひとりさまの5人に1人は貯蓄が100万円未満という厳しいデータとなりました。
3. 定年60代「70歳以降も仕事を続けたい」3割以上に
2021年4月から改正高年齢者雇用安定法が施行されました。対象事業者には、65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業確保の努力義務が課されます。
では、働く還暦人は、何歳くらいまで働きたいと考えているのでしょうか。
59歳時点で就労をしている、またはしていた人(1459名)に、60歳以降、何歳まで働きたいかを同調査でアンケート。その結果、65歳以降も働きたいと思う人(65歳以降の年齢を回答した人)の割合は78.3%、70歳以降も働きたいと思う人(70歳以降の年齢を回答した人)の割合は36.5%となりました。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
法改正では70歳を1つの区切りとしているものの、70歳以降も仕事を続けたい人は多いようです。
70歳以降も働きたい人(532名)について、70歳以降も働きたい理由をみていきます。
男性
- 「70歳くらいまでは健康な身体を維持できていると思うから」
- 「70歳以降の生活費を十分残したいから」
- 「社会とつながって役に立ちたいと思うから」
- 「死ぬまで現役でいたいと思っているから」
女性
- 「まだまだ社会と関わっていたいから」
- 「楽しく充実しているから」
- 「社会に出て人と接しているほうが元気でいられると思うから」
- 「100歳でも元気な人を見ているから」
- 「永遠に引退したくないから」
以上のような回答がありました。社会とのつながりや、健康を大事にしていることがわかります。
4. 定年60代「給与の減少」「年金制度の崩壊」に不安
ここからは、還暦人がこれからの人生に対して感じる不安もみていきましょう。
それによると、1位「収入の減少(60歳以降の雇用形態の変更など)」(53.2%)、2位「身体能力の低下(体の病気や寝たきりなど)」(50.5%)、3位「年金制度の崩壊」(46.1%)、4位「判断能力の低下(認知症等脳の病気や車の運転など)」(43.3%)、5位「自分の介護」(37.1%)となりました。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
やはりお金に関する不安が大きいようです。
また、昨年の調査結果と比較すると、「収入の減少」は2020年41.4%→2021年53.2%と11.8ポイントの大幅上昇となっています。
その順位は2020年4位→2021年1位となりました。
また、「年金制度の崩壊」は2020年37.2%→2021年46.1%と8.9ポイントの上昇となっています。今年の還暦人には、コロナ禍による経済悪化もあってか、お金への不安が大きいようです。
5. 定年60代のパートナー「金銭感覚があう」男女ともにランクイン
現在、配偶者がいない人(579名)に、今後の結婚・再婚の予定を聞いたところ、「するつもりがある」は47.8%、「するつもりはない」は52.2%となりました。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
男女別にみると、結婚・再婚をするつもりがある人の割合は、男性(60.0%)では半数を超えたのに対し、女性(37.6%)では半数を下回りました。
今後、結婚・再婚をするつもりがある人(277名)に、結婚・再婚をするとしたら、どのような相手を魅力に感じると思うかを聞いたところ、男女とも1位は「優しさ・思いやりがある」でした。
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出所:PGF生命「2021年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」
2位以降をみると、男性では2位「清潔感がある」、3位「容姿が好み」、4位「金銭感覚が合う」、5位「趣味が合う」と、見た目の印象や価値観の一致を重要視しているようです。
他方、女性では2位「収入が安定している」、3位「口うるさくない・自由にさせてくれる」、4位「頼りがいがある」、5位「家族を大切にする」となりました。
6. 定年60代の老後の備え「貯蓄・資産運用」がダントツ1位
さらに、同調査では人生100年時代への備えについても質問。
全回答者(2000名)に、人生100年時代への備えとして現在行っていることを聞いたところ、下記の通りとなりました。
- 「貯蓄・資産運用」(35.7%)
- 「体力づくり」(27.5%)
- 「健康診断の受診」(25.1%)
- 「家計の見直し」(15.3%)
- 「保険の加入・見直し」(14.0%)
貯蓄、資産運用を重視している人が最多です。
まだまだ還暦には遠い年齢の人でも、いずれ老後はやってきます。今のうちから資産運用や貯蓄について学んでおくことをおすすめします。
参考資料
齊藤 慧
