日本各地で梅雨入りの宣言がされています。おうちで過ごす時間が増えた方も多いのではないでしょうか。
ゆっくり過ごすおうち時間にぜひ考えておきたいのが、「将来のお金」について。定年退職を迎えたあと、どのような生活を送りたいのかじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
趣味を楽しむ老後も、のんびり過ごす老後も、大事になるのは「年金」と「貯蓄」です。「老後資金」を貯めようと思っても、肝心の年金額がわからなければ対策できません。
そこで今回は、今の60歳以上の方が年金を本当はいくらもらっているのか探ります。夫婦の標準年金は2022年度で月額22万円となりますが、細かく見ていくとある事実がわかりました。
早速見ていきましょう。
【注目記事】【年金一覧表】今の「60歳~90歳以上」は受給額がいくらか1歳刻みであなたもチェック
1. 【厚生年金と国民年金】みんなはいくらもらっているの?
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造となっています。
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出所:日本年金機構
1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」には、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。
一方2階部分にあたる「厚生年金」には、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入します。
つまり、働き方によって将来もらえる年金の種類は、次のように整理できます。
- 国民年金のみに加入している自営業や専業主婦(主夫)など:「老齢基礎年金」
- 厚生年金に加入している会社員など:「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」
それでは実際に今の60歳以上の方は、毎月いくらの年金を受給しているのでしょうか。厚生労働省年金局「令和2年度 厚生年金・国民年金事業の概況」から「厚生年金」と「国民年金」に分けて見ていきましょう。
1.1 厚生年金(第1号)の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
- 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
- 〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
1.2 国民年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
2つの年金制度を比べると、上乗せできる分「厚生年金の方が手厚い」といえます。
ただし、平均受給額は一部の大きな値に引っ張られている可能性もあります。そこで次に、受給額ごとの人数分布もチェックしましょう。
2. 「厚生年金」受給額ごとの人数とは
厚生年金の平均は14万4366円でしたが、実は受給額ごとにばらつきがみられることがわかりました。
2.1 厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
上記によると、厚生年金受給額のボリュームゾーンは「9万円から10万円」です。もし共働き夫婦世帯の場合、ボリュームゾーン通りの厚生年金を受給できるなら2人で月額20万円を超える可能性はあります。
ただし現役時代の報酬や加入期間によって、受給額は大きく変わります。ここ最近は年金額自体が減少しており、「厚生年金に加入しているから安心」とは言い切れないのが現状です。
3. 「国民年金」受給額ごとの人数とは
次は国民年金についても深掘りしましょう。
3.1 国民年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
国民年金の全体平均は5万6252円でしたが、ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」といえそうです。
40年間すべての保険料を納めたとしても、国民年金の満額は月額6万4816円(2022年度)です。年額にしても約78万円であることを考えると、特に自営業世帯では将来の備えが必須だと言えるでしょう。
4. 夫婦二人の標準年金は22万円だが
日本年金機構の「令和4年4月分からの年金額等について」によると、2022年度の年金額は標準的な夫婦で21万9593円であることがわかっています。
前年に比べて0.4%もマイナスになったこちらの金額が初めて振り込まれるのは、次の6月15日です。
しかしこちらの金額はあくまでも目安で、「平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準」と記載されています。
40年間の給与が43.9万円であったり、妻がずっと専業主婦であったりと、現在の夫婦にあてはまらないと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、国民年金の受給額は「満額×納付月数/480月」で計算し、厚生年金の受給額は「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」の合計で決まります。個人によって異なることがわかりますね。
大事なのは「自分自身の目安額」を知ることです。働き方によって年金が異なることを踏まえ、将来について考えてみましょう。
5. 年金受給額のまとめ
2022年4月25日、厚生労働省が「公的年金シミュレーター」の試験運用を開始しました。
こちらのツールを使うことで、年金額を簡単に試算することができます。また日本年金機構が運営する「ねんきんネット」でも、年金受給額を試算することが可能です。
厚生年金の受給額は、現役時代の収入や加入期間によって左右されます。
そのため、今後の働き方(収入)によって変わる可能性は十分にあります。定期的に確認する習慣をつけておきましょう。
今のシニアの受給額事情を知りつつ、こうしたツールも活用することが重要です。長引く梅雨の季節、ぜひ将来のお金について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2021年12月)
- 日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「スマホで簡単に年金額試算「公的年金シミュレーター」を4月25日から試験運用を開始します!」
太田 彩子
