個人投資家の関心は、9月末を基準日とする配当・株主優待の権利確定に集まりやすい時期を迎えています。
3月決算の企業にとって9月末はちょうど中間期にあたり、この時期に配当や優待を用意している銘柄が少なくありません。
食肉加工大手の丸大食品<2288>もそのひとつです。
同社は2月24日、2026年9月30日を基準日とする株主優待(※対象は200株以上の保有株主。100株のみの保有では対象になりません)から、長期保有の株主ほど受け取れる優待品が手厚くなる新制度に切り替えることを発表していました。
この新制度の内容と、あわせて8月6日に発表した2027年3月期第1四半期決算から、同社の稼ぎ頭を読み解いていきましょう。
1. 最新決算からひも解く丸大食品の稼ぎ頭
丸大食品が8月6日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4月1日〜6月30日)決算は、売上高が前年同期比1.9%増の605億2,900万円となった一方、営業利益は同33.4%減の13億4,000万円、経常利益は同31.4%減の13億8,900万円、四半期純利益は同28.5%減の10億1,600万円と、増収ながら減益になりました。
同社は「加工食品事業」と「食肉事業」の2つを主力セグメントとしています。稼ぎ頭は一目瞭然で、加工食品事業のセグメント利益は12億7,000万円と、全社の営業利益13億4,000万円のうち9割以上を占めています。売上高でも402億4,000万円と全体の66.5%を稼いでおり、名実ともに丸大食品の中核事業といえます。
1.1 加工食品事業の内訳と減益の背景
加工食品事業は「ハム・ソーセージ部門」と「調理加工食品部門」の2つで構成されています。
ハム・ソーセージ部門:売上高180億200万円(前年同期比2.2%減)。物価上昇に伴う消費者の節約志向の高まりや価格競争の激化により、ロースハムの主要商品や徳用タイプのウインナーなどの販売数量が減少
調理加工食品部門:売上高222億3,700万円(同3.2%増)。「サラダチキン」が堅調に推移したほか、「ビストロ倶楽部濃厚カレー」や業務用カレーの拡販、「スンドゥブ」シリーズの継続的な販促、デザート・飲料類の伸長が寄与
加工食品事業全体の売上高は402億4,000万円(同0.7%増)とわずかに増収を確保しましたが、セグメント利益は12億7,000万円(同28.6%減)となりました。
同社は減益の理由について、ハム・ソーセージ部門の減収に加え、原材料価格などのコスト上昇による影響を挙げています。看板商品であるハムの数量減を、多角化した調理加工食品の伸びで補いつつも、原材料高の重さが利益面に表れた格好です。
1.2 食肉事業は増収でも仕入れ高騰が重荷に
もう一つの柱である食肉事業は、売上高202億5,900万円(前年同期比4.5%増)と増収でした。牛肉は豪州産の販売強化により量販店向け販売が堅調に推移し、豚肉も国産・輸入ともに販売単価・販売数量が上昇したことが増収の背景です。
ただし、セグメント利益は7,900万円(同64.5%減)と大幅な減益になりました。理由は、相場高騰による仕入れコスト高を販売価格に十分転嫁しきれなかったためです。
2. 通期予想への進捗率は低め、2Q以降の巻き返しが焦点に
通期(2027年3月期)の連結業績予想は売上高2,450億円(前期比2.8%増)、営業利益80億円(同6.6%増)、経常利益84億円(同5.9%増)、純利益64億円(同34.6%減)で、5月14日の公表時点から修正はありません。
純利益の大幅な減少は、前期(2026年3月期)決算で投資有価証券売却益を計上したことで純利益が前々期比78.3%増の97億8,600万円まで押し上げられていた反動によるもので、今期はその一過性の押し上げ要因がない前提の予想です。
一方で、1Qの通期予想に対する進捗率は売上高で24.7%、営業利益で16.8%にとどまっており、単純な四半期均等配分(25%)の目安を下回っています。
この進捗ペースのまま原材料高が続けば、営業利益80億円という通期目標の達成には2Q以降でかなりの巻き返しが必要になります。通期目標の達成は今後どこまで利益を積み増せるかにかかっているといえそうです。