2. 年金の「繰下げ受給」損益分岐点を検証

ここまで読んだ方の中には「早く亡くなると損になる」と感じた方もいるでしょう。年金を繰下げ受給した場合、本当にお得なのでしょうか。

ここでは損益分岐点となる年齢をシミュレーションしてみます。

厚生労働省の「令和２年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額は約14万円でした。ここから年金月額を14万円と仮定して、ざっくり試算してみましょう。（1万円未満の端数切り捨て）

2.1 65歳から年金を受け取る場合（繰り下げ受給なし）

  • 70歳時点：840万円
  • 75歳時点：1680万円
  • 80歳時点：2520万円
  • 85歳時点：3369万円
  • 90歳時点：4200万円
  • 95歳時点：5040万円
  • 100歳時点：5880万円

2.2 70歳から年金を受け散る場合

  • 70歳時点：0円
  • 75歳時点：1192万円
  • 80歳時点：2385万円
  • 85歳時点：3578万円
  • 90歳時点：4771万円
  • 95歳時点：5964万円
  • 100歳時点：7156万円

2.3 75歳から年金を受け取る場合

  • 70歳時点：0円
  • 75歳時点：0円
  • 80歳時点：1545万円
  • 85歳時点：3091万円
  • 90歳時点：4636万円
  • 95歳時点：6182万円
  • 100歳時点：7728万円

上記の単純なシミュレーションにおいては、80歳時点までは65歳受給がお得、85歳時点からは70歳受給がお得、95歳時点では75歳受給がお得ということになりました。

何歳まで生きるのかは人によって異なりますが、大事なのは「生きている間に生活に困らないこと」です。

あまり損得に囚われず、安心して生活していけるかという点で決めていったほうが良さそうです。