2. 2015年以降の公務員の年金制度
2015年(平成27年)10月、共済年金は厚生年金に統一されました。2022年現在では、公務員も会社員も同じ「厚生年金」に加入しています。
改正の要点は次のとおりです。
- 2階部分は会社員と同じ厚生年金になった
- 3階の職域部分は廃止となり、代わりに「年金払い退職給付」が新設された
- 保険料の料率も段階的に引き上げ、2018年に厚生年金の保険料率18.3%に統一された
つまり公務員でも会社員でも、同じ給与水準であれば同じ厚生年金受給額になったのです。高待遇であった公務員独自の有利な部分が廃止され、不公平である制度のひずみが解消されたともいえます。
ただし、2015年(平成27年)10月以前に共済年金に加入していた公務員は、それまで納めた保険料に応じた年金は受け取れます。
今のシニア世代は3階建ての時代に加入していた世代なので、まだ優遇された年金を受給しているといえます。純粋に会社員の水準と統一されるのは、まだまだ先になると言えるでしょう。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)