世界に比べて高い「65~69歳の就業率」

今回は65歳以上・無職ひとり暮らしの方の月の収支を確認しましたが、現代は働くシニアも増えています。

金融庁の資料によると、65~69歳の就業率は以下の通り。

出典:金融庁「人生100年時代における資産形成」

男性で52.9%、女性で33.4%です。

アメリカは男性35.5%、女性27.0%、ドイツは男性19.4%、女性12.9%、フランスは男性8.0%、女性4.9%と、日本では諸外国に比べて働くシニアが多いことが分かります。

日本の65~69歳の就業理由も見てみましょう。

出典:金融庁「人生100年時代における資産形成」

男性で多い順に「生活の糧を得るため(56.0%)」「いきがい、社会参加のため(52.2%)」「健康にいいから(51.7%)」。

女性は「いきがい、社会参加のため(51.6%)」「健康にいいから(45.2%)」「生活の糧を得るため(39.5%)」となっています。

老後も仕事を続ける理由はさまざまですが、特に男性は生活費のために働く方が多いようです。65歳上の各国の所得の内訳も確認しましょう。

出典:金融庁「人生100年時代における資産形成」

日本は公的所得(公的年金)が51.3%。、労働所得が38.7%、資本所得(私的年金や非年金貯蓄としての収入)が10.0%。アメリカは公的所得(公的年金)は50.9%で、労働所得が35.2%、資本所得が13.9%です。

フランスの場合、公的所得が77.3%の一方で、資本所得は17.2%となっており、労働所得は5.5%と少なくなっています。

働くことはお金の面に加えて、やりがいや健康に良いといったメリットもありますが、「いつまで元気に働けるか」といった不安も併せ持ちます。

これからの時代は、私的年金や貯蓄といった部分でも備えていくことが求められるでしょう。

まとめにかえて

老後、どのような生活がしたいかは個人差があるものです。ただ早いうちから老後の生活を考えることで、いざ老後となった時にその暮らしも変わるでしょう。

特に老後生活を大きく左右するのは年金と貯蓄、仕事、住まいです。

公的年金はいくら受給できそうか、足りない部分を私的年金でどれくらい補うか、貯蓄を増やすにはどうするのか。今は情報も多いですから、さまざまな方法で調べて自分に合った選択を考えてみましょう。

仕事や住まいなどについても、若い頃から動いて備えることで、老後への不安が減ります。今回の結果を参考に、まずはねんきんネットで受給額を調べるなど、具体的な行動にうつしてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子