老後に向けて「年金目安額」を知っておく
そうは言っても、「年金で足りるのでは?」という疑問は残ります。確かに年金が高額であれば、年金だけで暮らしていくことは可能です。
しかし日本年金機構の「知っておきたい年金のはなし」によれば、年金だけで生活する高齢者は、もはや5割以下しかいません。
今後の年金受給額は下がる見通しもあるため、自分の年金受給額は目安だけでも把握しておきましょう。
50歳以上の方であれば、誕生月に送られてくるねんきん定期便が参考になります。ただし50歳未満の方に送られてくるねんきん定期便には、現時点でもらえる見込額しか記載されていません。
この場合、ねんきんネットでシミュレーションするのがおすすめです。受給額の目安は社会の情勢や働き方によって変わるので、定期的に確認する習慣をつけたいですね。
まとめにかえて
60代のうち「貯蓄なし」の割合をみていきました。2~3割が貯蓄なしという中、「年金だけで生活する高齢者は5割以下」という事実もわかりましたね。
貯蓄の有無は、退職金や親の遺産だけで決まるものではありません。現役世代のうちから、老後を見据えてコツコツ準備した結果も大きいでしょう。
貯蓄ペースがなかなかあがらないのであれば、国の非課税制度である「つみたてNISA」や「iDeCo」などを使い、資産運用にチャレンジしてみるのも1つです。
掛け金の上限やリスクなどもあるので、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」
- 公益財団法人 生命保険文化センター「セカンドライフの生活費は現役時代とどう違う?」
- 日本年金機構「知っておきたい年金のはなし」
- 厚生労働省「簡易生命表(令和2年)」
- 内閣府「令和3年版高齢社会白書」
太田 彩子