自営業やフリーランスの方にとって、毎月の家計に響くのが「国民健康保険料」です。医療費の負担を抑える心強い制度である一方、月々の支払いはかなりの金額になることも。

こちらに加え、自営業者は国民年金保険料を毎月1万6590円支払わなければなりません。年金保険料は一律ですが、国民健康保険料は所得や家族構成で異なります。

いったいいくらの保険料になるのか、不安に感じる方もいるでしょう。

そこで今回は、年収600万円世帯にフォーカスをあて、保険料の目安をお伝えします。

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1. 国民健康保険とは何か

そもそも国民健康保険とは、日本の公的健康保険の1つです。日本は国民皆保険制度をとっているため、誰もが何らかの公的保険に加入します。

  • 協会けんぽ…中小企業で働く従業員
  • 組合管掌健康保険…大企業で働く従業員
  • 共済組合…公務員や私立教職員
  • 船員保険…船員
  • 後期高齢者医療制度…75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)のすべての人
  • 国民健康保険…上記以外の自営業やフリーランスの方など

国民健康保険には、会社等に勤めていない自営業の方などが加入します。

2. 年収600万円の人必見「国民健康保険の保険料」はどのように決まるのか

国民健康保険料は「医療分」「支援金分」「介護分」を合算した金額で決まり、それぞれに「所得割」「均等割」「平等割」があります。

内容を押さえておきましょう。

  • 医療分:国保加入者の前年医療費を基に料率や金額を算出するもので、国民健康保険料を算定する際の基礎となる部分。2022年度の最高限度額は年間65万円
  • 支援金分:後期高齢者医療制度の運営に必要な費用を拠出する分。2022年度の最高限度額は20万円
  • 介護分:40歳以上になると賦課される分。2022年度の最高限度額は17万円
  • 所得割:所得に応じて一定の割合がかけられた金額
  • 均等割:すべての人が均等に負担する金額
  • 平等割:世帯ごとに均等に負担する金額。自治体によっては採用していないところもある

上記以外に資産割が加わる自治体もあります。

3. 年収600万円の人の国民健康保険料はいくら?

ではいよいよ、年収600万円の人の国民健康保険料を見ていきます。保険料の料率や構成は自治体によって異なるため、参考までに東京都渋谷区の例で計算してみましょう。

計算された保険料は概算で、実際の保険料とは異なるケースもある点にご留意ください。

3.1 試算条件

  • 年収:600万円
  • 給与所得:436万円
  • 世帯構成:一人暮らし
  • 年齢:45歳

3.2 試算結果

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出所:渋谷区「保険料試算」

出所:渋谷区「保険料試算」

  • 世帯合計の保険料:53万531円
  • 1ヵ月あたりの保険料:4万4211円

【内訳(年間)】

  • 医療分の均等割:4万2100円
  • 医療分の所得割:28万1388円
  • 支援分の均等割:1万3200円
  • 支援分の所得割:8万9604円
  • 介護分の均等割:1万6600円
  • 介護分の所得割:8万7639円

年収600万円の場合、給与所得控除は「収入金額×20%+44万円」で164万円となります。

これを年収である600万円から引くと、給与所得は436万円です。

この結果、単身世帯の場合、世田谷区での国民健康保険料は1ヵ月あたり4万4211円という結果になりました。

4. 国民健康保険料の注意点

年収600万円の場合の国民健康保険料は年間53万531円ということがわかりましたが、誰でも同じ保険料になるわけではありません。

ここでは国民健康保険料に関する注意点を見ていきましょう。

4.1 同じ年収でも所得が異なる

先程の試算は前年が給与所得者(会社員など)だった場合の一例です。前年も自営業者であった場合は、同じ年収600万円であっても所得の計算が異なることに注意しましょう。

4.2 年齢で保険料は異なる

介護分は40歳~65歳までにかかる項目なので、それ以外の年齢では異なります。ただし65歳になると介護保険として単独で納付するため、負担が減るわけではありません。

4.3 毎月の納付金額は「4万4211円」ではない

実際に国民健康保険料を納付する際には、年間の保険料を9~10分割で納付します。つまり、1期あたりの保険料は「月額4万4211円」よりも高くなると覚えておきましょう。

4.4 家族構成で保険料が変わる

国民健康保険の場合、他の保険のように「扶養」がありません。専業主婦でも子どもでも、加入すればその人数分の保険料が発生します。同じ年収600万円でも、世帯の人数で保険料が変わる点に注意しましょう。

また扶養人数で所得控除額も変わるため、算定の基礎となる所得金額も異なり、結果的に保険料も変わります。

5. 国民健康保険料のまとめ

年収600万円の方が負担する国民健康保険料について見ていきました。

同じ年収600万円でも、働き方や居住地、家族構成によって保険料の目安が異なります。しかし年間で約50万円という支払いは、負担となることもあるでしょう。

こちらに加えて、国民年金保険料の支払いも発生するため、実際に保険料を負担に感じる方は多いです。

これらの保険料は、医療費や老齢、障害や生計維持者の死亡というリスクを保障するために必要なものです。

この機会に、実際に医療費でどれほどの助成を受けられるのか、年金はいくらもらえるのか、関心を持ってみるのもいいですね。

参考資料

太田 彩子