子育て世帯の平均貯蓄額は「723.8万円」負債額はいくら?

先ほどの厚生労働省の調査によれば、子育て世帯のうち「貯蓄がある」世帯は84.4%、「貯蓄がない」世帯は11.6%、「わからない」世帯は4.0%でした。

そのうち、「貯蓄がある」と回答した世帯の平均貯蓄額は723万8000円です。

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」を元に筆者作成

※「1世帯当たり平均貯蓄額」には、不詳及び貯蓄あり額不詳の世帯は含まない。 子育て世帯の平均借入額は1119.7万円

貯蓄額を階級別にみると、最も割合が高かったのは「500~700万円未満」で10.6%、次いで「100~200万円未満」が10.1%、「1000~1500万円未満」が8.7%、「200~300万円未満」「700~1000万円未満」が同率で8.1%でした。

平均貯蓄額は723万8000円ではありますが、半数以上の世帯が貯蓄額700万円未満ですから、実際にはそれほど高くないのかもしれません。また、子育て世代といっても年齢にバラツキもあり、貯蓄額に差が生じている要因の1つになっているといえそうです。

次に借入額を見ていきましょう。子育て世帯で、「借入金がある」世帯は55.8%、「借入金がない」世帯は38.9%、「わからない」世帯が5.2%でした。

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」を元に筆者作成

※「1世帯当たり平均借入金額」には、不詳及び借入金あり額不詳の世帯は含まない。

借入金がある世帯の平均借入金額は1119万7000円。借入金額を階級別に見てみると、最も割合が高かったのは「2000万円~3000万円未満」で15.2%、次いで「3000万円以上」10.1%、「1500~2000万円未満」7.7%、「1000~1500万円未満」7.1%と続きました。

この調査は、18歳未満の未婚の子どもがいる世帯が対象となっています。40歳前後でマイホームを購入している場合、住宅ローンの残債はまだ多く残っている時期だと考えられます。

しかも、住宅ローン減税が受けられる時期とも重なりますから、慌てて繰り上げ返済する世帯は、それほど多くはないと言えるでしょう。