もはや子育て世帯の必需品とも言える、子乗せ自転車。前や後ろに子どもを乗せるスタイルは、自動車が使いにくいエリアや家族にとって心強い存在です。

一方で、子どもを乗せた自転車は危険と隣合わせで、特に前後に子どもを乗せた3人乗りでは事故のリスクも高まります。

消費者安全調査委員会が2020年12月25日に公表した「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書」によると、2009 年から 2018 年までの 10 年間で、幼児同乗中の自転車と車両との交通事故等によって死傷した同乗幼児の人数は合計1万235 人でした。

乗っている本人、歩行者、自動車にとっても「危ない!」と感じることの多い子乗せ自転車。安全に乗るために、守るためのルールやマナーをしっかり押さえておきましょう。

危険な反面「生活必需品」となった子乗せ自転車

子育て世帯にとって、子乗せ自転車がもはや生活必需品となった家庭もあるでしょう。都市部では自動車がない家庭も多く、また普段は自動車で移動する地域でも「保育園や幼稚園の送迎に自動車は禁止」とする園も少なくありません。

朝の慌ただしい時間に歩いて送迎するのは難しく、自転車に頼らざるをえない面も多いでしょう。

保育園や幼稚園の送迎では子どもだけでなく荷物も運ぶ必要があります。お昼寝用の布団やおむつ用のバケツを、月曜と金曜に自転車に乗せる親子を見かけることもありますね。

徒歩での送迎で、ぐずる子どもの手を引きながら荷物を抱える毎日は、想像以上のハードさがあります。自転車に乗ってしまえば時間的にも体力的にも助かるので、生活には欠かせない存在ともいえるのです。