親が子どもに就いてほしいと願う職業。それはいつの時代も「公務員」が上位を独占しています。
株式会社クラレはこの春に小学校に入学する子ども4000人とその親4000人を対象にアンケートを実施し、「将来就きたい職業」「就かせたい職業」を調査しました(2022年4月5日公表)。
「男の子の親」の1位は公務員で、なんと4人に1人が希望している現状にあります。また「女の子の親」では公務員が2位で、2年連続で過去最高比率となりました。
一方で、人事院の調査によると「国家公務員に魅力を感じない」という学生の本音が垣間見えました。
親と子どもでは「職業」に対する価値観が相違していることが予想されます。
調査でわかった「国家公務員」に対する学生のイメージ
人事院が2022年3月25日に公表した「本年度就職活動を終えた学生を対象とする意識調査」によると、国家公務員に対する学生のイメージは次のようなものでした。
- 周囲の人に誇れる職業である(75.8%)
- 国を動かす仕事などスケールが大きい(71.9%)
- 国民のためにやりがいのある仕事である(71%)
これらの肯定的な意見は7割以上を占め、一見「国家公務員」に対するイメージはいいように捉えられます。
ではなぜ国家公務員という職業を選ばないのでしょうか。主な理由は次のものでした。
- 採用試験の勉強や準備が大変(76%)
- 業務内容をこなすことが大変そう(61%)
- 業務内容に魅力を感じなかった(58.4)
- 超過勤務や深夜・早朝に及ぶ勤務が多そう(55.3%)
国家公務員になるハードルの高さもさることながら、業務内容や勤務環境を理由に挙げた方が目立ちました。
国家公務員のイメージとして「人間関係や職場の雰囲気が良さそう」と回答した人は3割にとどまるなど、環境に対して肯定的な印象を持つ人も少ないようです。
「周囲に誇れる仕事。でも魅力を感じない。」
これが国家公務員に抱く率直な印象なのです。