「年金制度は崩壊する」。

疑問視されることが多い年金制度ですが、老後の収入の柱となるのは間違いありません。
引退までに何千万円という資産を持てる人は年金を当てにする必要はありませんが、そんな人は少数でしょう。

年金を増やす方法について紹介した書籍や記事は多数ありますが、あまり触れられていない話題があります。

それが、企業年金です。

制度が複雑なため、転職や独立によってもらい忘れてしまう人が多いのです。

ここでは拙著『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』(クロスメディア・パブリッシング)でも紹介した「企業年金を損しない方法」についてお伝えします。

1. 企業年金連合会に連絡すれば年金をもらえることも

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国民年金が年金の1階部分なら、厚生年金が2階部分、そして3階部分に相当するのが企業年金です。

以前は厚生年金基金という許認可法人がその役割を担ってきましたが、バブル崩壊後、資金運用で損失をだし、積立金不足に陥る基金が続出。大半の基金が解散してしまいました。

近年、代わりに3階部分を担当するのは、確定給付企業年金と確定拠出企業年金(企業型確定拠出年金とも呼びます)です。

確定給付企業年金は、会社が社員に掛金を支払い、その積立金を運用します。

確定拠出企業年金は、会社が社員に掛金を支払い、社員が自分で運用先を選んで運用します。

確定給付企業年金と確定拠出企業年金制度を設けているのは大企業が中心で、中小企業では制度がない会社が多いです。

しかし日本経済に余裕があった平成の前半までは、中小企業でも多数の会社が厚生年金基金に加入していました。

ところが先ほど述べたように、厚生年金基金の大半は資金不足などで解散してしまい、連絡をしても繋がらない状況です。

ですが、もらえないとあきらめてしまうのは早計です。

基金が解散したからといって、そのときの掛け金が無駄になるわけではありません。

解散した厚生年金基金の加入履歴は、企業年金連合会に移管されています。

年金手帳を用意して、「企業年金連合会」に連絡してみましょう。