2. 転職時は「iDeCo」への移行を忘れないように
最近では、福利厚生の一環や退職金の代わりとして、企業型確定拠出年金制度を導入する会社が増えました(2020年3月現在で、36,449事業所)。
企業型確定拠出年金を利用している人が転職する際は、転職先の会社も同様に企業型確定拠出年金に加入しているかどうかを確認しましょう。
なぜなら、転職先が企業型確定拠出年金を導入していない場合は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に移行する必要があるからです。
会社員を辞めて独立した場合も同様に、iDeCoに移行する手続きをしなければなりません。
企業型確定拠出年金の資格喪失後、6ヶ月以内に移換手続きを取らなかった場合は、それまでに拠出してきた年金資産はすべて国民年金基金連合会に自動移換されます。
そうなると、次のようなデメリットが生じます。
- 年金資産が現金化されて運用できない状態になるため、資産がそれ以上増えなくなる
- 国民年金基金連合会への自動移換時(手数料4,348円)と、そこから企業型確定拠出年金またはiDeCoへの移換時(企業型確定拠出年金の場合は1,100円、iDeCoの場合は3,929円)の2回にわたって手数料が発生する
- 4ヶ月が経過すると毎月52円の手数料が発生する
実際、年間30万人もの人が、企業型確定拠出年金からiDeCoへの移行をしていないという事実があります。
給料や勤務時間、福利厚生などについては入社時に説明を受けると思いますが、企業型確定拠出年金については確認や説明が抜け落ちてしまうときがあるからです。
iDeCoの移行手続きは煩雑です。
転職直後は、余裕がないので忘れがちになりますが、大切な金融資産なので、かならず自分で確認しましょう。