【富裕層の相続】生前贈与の非課税制度
では生前贈与の非課税制度を活用した場合はどうなるかを試算していきます。
仮に「教育資金一括贈与」を利用して長男の子どもに1500万円、長女の子どもに1500万円を非課税で贈与したとします。相続財産を3000万円減らすことができ、相続財産の合計額は2億5000万円から2億2000万円となり基礎控除4800万円を差し引くと課税される遺産の金額は1億7200万円となります。
①相続税総額を算出
- 課税される遺産総額 1億7200万円
- 妻 1億7200万円×2分の1(8600万円)×30%-700万円=1880万円
- 長男 1億7200万円×4分の1(4300万円)×20%-200万円=660万円
- 長女 1億7200万円×4分の1(4300万円)×20%-200万円=660万円
- 相続税総額 1880万円+660万円+660万円=3200万円
②相続税の総額(3200万円)を実際の相続割合であん分
- 妻 3200万円×2分の1=1600万円=0円
- 長男 3200万円×4分の1=800万円
- 長女 3200万円×4分の1=800万円
妻は配偶者控除等で相続税0円、長男と長女は相続時に2億2000万円の4分の1である5500万円受け取り、相続税は800万円となります。
教育資金として1500万円を生前贈与として非課税で受け取っていますので、合算すると7000万円を受け取ることができ、相続税は対策前は992.5万円だったものが800万円と192.5万円の減、長男と長女計では385万円節税することが出来るという試算になりました。
生前贈与で非課税で大きな資金を渡すことができるものは他に「結婚・子育て資金の一括贈与」「住宅取得等資金の贈与」があります。これらの非課税制度を利用するにはさまざまな条件を満たすことが必要です。
また非課税制度は期限付きであるため、期限内に贈与し、申請が必要です。詳しくは国税庁のHPを参照する、または相続に強い税理士に相談してみるとよいでしょう。