「お小遣い」だけで十分な金育ができるわけではない

毎月子どもにお小遣いをあげることで、「金銭感覚」や「お金の管理能力」を身に付けさせたいと願う親は多いです。

しかし、「お小遣い制を導入するだけで金育ができる」かといえば、そこまで単純ではありません。

2022年4月からは高校の家庭科でも資産形成の授業が始まりましたが、授業内容は大人でも勉強になることが多いです。

裏を返せば、私たち大人は十分な金育を受けていません。大人になってから「お金」と向き合う機会は得られたものの、「お金」の話題は長くタブー視されていた向きもあるのです。

しかし時代は変わり、高校生でも「資産運用」などを積極的に学ぶ機会ができました。「子どものお小遣い制」だけで適切な金育ができるかと言えば、内容的にも親の知識的にも、難しいと感じることは多いでしょう。

ただし「お小遣い制が無駄」というわけではありません。子どものうちからお金と触れ合うことで、金育の第一歩とすることはできます。その一歩を進めるために、親としてできることは何があるのでしょうか。

金融庁が公表する「高校向け 金融経済教育指導教材」から見ていきましょう。

家計管理とライフプランニング

収入と支出の運営を管理することを「家計管理」といいます。まだ子どもには難しく感じるかもしれませんが、「お小遣い」という収入と「お菓子やゲーム」という支出を考えるとき、「収入分をすべて使っていいか」を考えることが前段階になります。

たとえ小学生でも、「収入-支出=貯蓄」あるいは「収入ー貯蓄=支出」という概念はお小遣いを通して学ぶことができます。親が意識をすることで、お金の流れや貯め方を助言することもできるのです。

高校の授業で学ぶとはいえ、家庭教育は重要です。お小遣いがその後の金育にしっかりつながるよう、適切なアドバイスをしておきたいですね。