国の赤字とは中央政府の赤字のこと
もう一つミスリーディングなのは、「国」という言葉の使い方です。国は赤字で巨額の借金を抱えている、と言われます。これは、地方公共団体と中央政府を区別する意味で国という単語を使っているのであって、日本国という意味ではありません。
日本国と外国との関係を示しているのは国際収支統計ですが、それによると日本国の経常収支は大幅な黒字で、対外純資産も巨額の黒字です。つまり、日本国と外国との間では、巨額の貸出等があって借金は少ししかない、という事なのです。
日本国が外国に対して黒字なのであれば、問題は軽微です。外国から借金をする必要が無いからです。外国から借金をすると、海外の貸し手が日本政府の巨額赤字を懸念して高い金利を要求して来たりしかねませんが、国内の投資家であればそうした懸念はありません。