銀行預金にもデメリットはある
ただし、銀行預金にも他の置き場所に比べたデメリットは存在します。
- 金利が低いので増えない
- 利息にも税金がかかる
- インフレのリスクがある
- 引き出し手数料がかかることがある
今の日本は低金利時代とも呼ばれ、銀行に預けていてもほとんど利息がつきません。若い方にとってはそれが当たり前の感覚ですが、バブル期を謳歌した人は「銀行に預けるだけでお金が増える」という感覚だったのです。
今では金利が優遇される定期預金であっても、0.002%ということがめずらしくありません。
退職金を1000万円預けても200円ほどの利息しかつかないことになりますね。さらにここから税金が引かれます。
ATMで引き出すときに手数料がかかることも多く、ほとんど増やすことは期待できないでしょう。
また「インフレリスク」も見過ごせません。
インフレが起こると物の価値があがります。これまで100円で買えていたものが、150円出さないと買えないという状況です。
そうなれば銀行に預けていたお金の価値は下がってしまうことになります。銀行預金の最大のデメリットともいえます。
「退職金」銀行以外の置き場所とは?
もし退職金を一括で受け取るのであれば、その置き場所に困るものです。銀行が第一選択になる方も多いですが、そもそも全額を同じ場所に預ける必要はありません。
メリットデメリットを検討して他の置き場所を考える場合は、その割合を決めることもできます。
退職金専用定期預金
退職金限定の「退職金専用定期預金」を取り扱う銀行もあります。退職金限定のため通常の定期預金よりもさらに優遇された金利を受けることが可能です。
この中には、投資信託やファンドラップ等で資産運用をするタイプもあります。預けるだけでは利息分しか増えませんが、運用すれば成績に応じた運用益が受け取れます。
銀行預金と資産運用の両方を考える方にとっては、選択肢の一つとなるでしょう。
ただしこちらは元本保証がありません。各種手数料もかかるため、運用リスクは予めしっかり知る必要があります。
また一部の商品には短期間で運用が終わり、その後は定期預金に戻るタイプがあります。運用は長期になるほど有利になるという性質がある以上、商品の仕組みはしっかり把握する必要がありますね。
資産運用
銀行預金とは切り離して、独自に資産運用するのも方法の一つです。
金融機関では「退職者向け」の資産運用コースを用意していることも多く、相談すればさまざまな提案を受けることでしょう。
さらに繰り返しますが、資産運用には一定のリスクが伴います。リスクを軽減するには「長期・分散・積み立て」が基本となるため、定年後からの資産運用ではハイリスクなタイプはおすすめできません。
特に一括で受け取った退職金をすべて短期投資に回すのは避けましょう。マイナスが出てもリカバリーができないため危険です。
シミュレーション通りに運用できる保証はないため、「何割を運用に回すのか」という検討も重要です。