厚生年金の平均受給額は月額14万4366円
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。
平均年金月額:14万4366円
平均は14万4366円であり「厚生年金の平均額は約14万円」といわれる根拠につながりますね。
厚生年金の受給額で注意したい3つのポイント
次に、年金制度の落とし穴と受給額の格差について、注意したいポイントをそれぞれ見ていきましょう。
1. 厚生年金の金額は「国民年金込み」
厚生年金の受給額には国民年金の金額が既に含まれていることを考えておかなければなりません。
公的年金制度は2階建ての構造をしていることから、会社員や公務員として保険料を収めた方は「国民年金と厚生年金の合計額」が受給できます。
先ほどの資料で記載された数字は、既に国民年金が含まれた金額であるため、ここからさらに国民年金が上乗せされるわけではないことに注意しましょう。
ちなみに、国民年金の平均は5万6252円です。単純に差し引くと、8万8114円。
この8万8114円が、厚生年金単体での平均額ということになります。
2. 厚生年金の金額はピンキリ
次に、厚生年金の受給額は個人差が大きいことも同資料で確認していきます。
厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
※厚生年金保険(第1号)の受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない、報酬比例部分のみの65歳未満の受給権者が含まれていることに留意が必要です。
平均は14万円ですが、実際に受け取る人が多いのは「9~10万円未満」に集中していることがわかります。仮に9万円の受給額だと、平均との差は毎月5万円。1年の差は60万、10年では600万、20年では1200万と年数を考えると大きな差となりますね。
男女の差にも注目してみましょう。