苦手意識を持たせないように気をつける

一度苦手意識を持ってしまうと払拭するのは容易ではないので、子どもが算数に対して苦手意識を持ち始めたら要注意。基本的な計算問題を解かせて「分かった」という体験を重ねて自信をつけさせていきましょう。

家庭で算数の勉強に取り組ませる場合は、子どもが9割位解けそうなレベルからスタート。いきなり難しいものを与えると、一気に自信を失ってしまいます。

確実に解けるものからスモールステップをし、算数力を鍛えるとともに「やればできる」という前向きな気持ちを子どもが持つことが大切です。

そして、一番気をつけなければいけないのが、親の必要以上の叱責です。「なんでこんな問題も解けないの」という一言で算数への自信をすっかり失ったり、算数嫌いの決定打になったりします。

将来的な進路に直接関係してくる教科だけに、小学生時点で「算数のセンスがない」と思い込ませるような事態にならないようにしてください。

進路を広げる教科であることを教える

算数や数学がどのように社会に出て役に立つのかピンとこない子もいます。自分の親が研究職や日頃から数字を扱う仕事をしていない限り、なかなか算数の大切さを感じられません。

しかし、算数や数学といった理系科目は科学技術の開発や進歩に大きく貢献しています。

そして、高校受験をはじめ入学試験では数学の出来不出来が合否に関わってきます。さらに、高校進学後の進路に数学は大きく関係してくるため、小学校の時に算数嫌いになってしまうと大袈裟ではなく現実的な進路選択の幅が狭くなることを意味しています。

私立文系に狙いを定めていた子が、受験学年になって理系学部に興味を示して進路変更をしても、合格をつかみ取るにはかなりの努力が必要になります。

小学生だと「まだ先のこと」と思い、現実的なこととして受け止められないかもしれません。

また、算数で鍛えられる論理的思考力は社会に出てからも役立つスキルです。他の教科も大切ですが、算数や数学の重要性を「単なる勉強だけではなく人生の選択肢を増やしてくれる教科」と話し、理解させていきましょう。