アジアのコーチ陣を説得するのに多くの時間がかかった現実
ところが、モンゴルのコーチ陣を説得するには約1ヶ月を要したという。
「長い時間をかけて話をして、ようやく納得してくれてね。そこからはもちろん走り込みも筋トレも完全に禁止。そして、ではその結果がどうだったかというと、僕らの狙い通り、参加していた36人全員のフィジカル能力(yo-yo testの数値など)が著しく向上していたんだ。」
つまり、過度な負荷の連続は逆にフィジカル能力の向上を阻害する、サッカーに必要な運動能力はサッカーをすることによって培われていくということです。
「もちろんそれだけではなくて、ムダな疲労を取り除くことができたからこそ、テクニックや戦術理解といった面でも飛躍的な向上をみることができた。疲れが溜まっていなければ、その分、体のキレが増すだけでなく脳の動きも活発になる。モチベーションも集中力も増す。サッカーで最も大切な〝一瞬の判断〟、ここに大きな違いが出るということ。結果、僕らの指導を受ける前には4人だった州選抜選手は6ヶ月後、16人に増加。彼らへの指導は今後も続けていくので、あの子たちは今よりももっともっと上手くなれる。そう確信しているよ。」
宮崎 隆司