日本のEV時代は2009年からはじまる
EVは、2009年に三菱自動車工業が軽自動車のi‐MiEVで市販の足掛かりをつけました。翌年には日産自動車がリーフを発売します。EV時代の扉が日本から開かれたのです。
その直後に、東日本大震災が起きました。電気、ガス、水道といった社会基盤が甚大な被害を受けるなか、比較的早く復旧の手がかりをつかんだのが電力です。それを活かし、EVが人や物資を運ぶ手助けになりました。道路に亀裂が入り、ガソリンスタンドへの燃料補充が行き届かず、エンジン車では移動や運搬の役目を十分に果たせなかったからです。
その経験を踏まえ、日産自動車はヴィークル・トゥ・ホーム(VtoH)という機能をEVに与えました。
EVを単なるクルマとみるなら、走るために電気を使うだけで、ガソリンで走るエンジン車と同じ機能でしかありません。
しかし、EVにVtoH機能を追加すれば、EVのバッテリーに充電された電力を、自宅へ供給することができるのです。供給できる日数は、充電されている電力量によって異なりますが、たとえば日産リーフの場合、満充電であれば、最大約4日間利用できると日産自動車は公表しています。