急速充電器の数は7700か所

スマートフォンを手放せないのと同じように、いまの暮らしは電気というエネルギー中心で成り立っています。そこに、EVを組み込むことにより、万一の際を含め安定した電力確保という安心な暮らしにつなげられます。

EV以外のハイブリッド車(ハイブリッド・ヴィークル=HV)や燃料電池車(フューエル・セル・ヴィークル=FCV)なども、電力をクルマから取り出せる機能はあります。しかし、燃料として車載しているガソリンや水素を使い果たせば、スタンドへ出向き補充しなければ、走ることも、車外での電気の利用もできません。

EVなら、たとえば東日本大震災のあと首都圏で実施された計画停電のような場合でも、電気が通じている時間帯に充電しておけば、停電の順番が来たときはEVから電気を取り出すことができ、電気に不自由せず普段通りの暮らしを継続できます。

EVの懸念材料として、走行距離の短さや、充電拠点の少なさといった課題が指摘され、国内での普及率は1%にも届きません。

しかし、一充電走行距離については400km前後が標準的になってきていますし、急速充電器の数は、7700か所ほどに増えています。世界的に一日にクルマで移動する距離は40~50kmといわれていますので、ドライブで遠出をする以外は、自宅で充電しておけば電気切れへの不安も解消されるでしょう。

そのために解決すべきは、マンションなど集合住宅での自宅充電を一刻も早く普及させることです。

参考資料

一般社団法人日本EVクラブ副代表 御堀 直嗣