年収600万円台、勤労世帯の貯蓄事情は?
まず初めに、年収600万円台の貯蓄事情について、総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」で確認してみましょう。
《年収600万~650万円世帯/平均年収622万円》
- 平均貯蓄額:1209万円
《年収650万~700万円世帯/平均年収672万円》
- 平均貯蓄額:1229万円
年収600万円台の世帯は、平均すると1200万円ほどの貯蓄があることがわかります。
年収600万円台、勤労世帯の負債事情と純貯蓄額は?
年収600万円台の世帯の貯蓄状況をみていただきました。
一見すると、まとまった貯蓄があるようですが、違う側面からもデータをみる必要があります。
次に注目するポイントは、平均負債額です。
負債と聞くとイメージが湧きにくいかもしれませんが、「住宅ローン」などもいわゆる「負債」に分類されます。
貯蓄額のうち、どれくらいが負債で相殺されてしまうのでしょうか。
先ほどと同じ総務省のデータをみると、年収600万円世帯の負債状況は以下のようになっています。
《年収600万~650万円世帯》
- 平均負債額:930万円 (※うち、住宅・土地のための負債:874万円)
《年収650万~700万円世帯》
- 平均負債額:920万円 (※うち、住宅・土地のための負債:861万円)
年収600万円台が抱える負債のほとんどは、住宅ローンが占めていることが分かります。
では最後に、貯蓄額から負債額を引いた、「純貯蓄額」をみてみましょう。
《年収600万~650万円世帯》
- 279万円 (1209万円-930万円)
《年収650万~700万円世帯》
- 309万円 (1229万円-920万円)
いかがでしょうか。
純貯蓄額に注目すると、急に心細く感じた方もいるのではないでしょうか。
年収600万円台と聞くと、ゆとりのあるイメージですが、純貯蓄は年収の約半分です。
まだまだ残る住宅ローンや子どもの教育費、老後資金などを考えると、貯蓄額が1200万円あっても安心とは言い切れないでしょう。