長引くコロナ禍の中、ようやく春の兆しが見えてきました。

株式会社レビューが2022年2月に10代以降の男女150人に行ったアンケート「コロナが収束したらやりたいこと」によると、最も多い回答が国内旅行、次いで多いのが海外旅行という結果でした(2022年3月10日公表)。

「自粛があければ旅行にいきたい」と考える方が多数を占めるようです。

以前は、定年退職を迎えると旅行などの趣味を謳歌するシニアが多くいました。

しかし最近では年金のマイナス改定が行われるなど、「年金だけでそもそも生活ができるのか不安」という声も聞かれます。

実際に今のシニアは、十分な年金を受給できているのでしょうか。

今回は年金受給者のうち、厚生年金の月額が10万円未満の割合を男女別にさぐってみます。

【注目記事】夫が先に亡くなったら、妻がもらえる「遺族厚生年金」の受給額はいくら?

「厚生年金」の実際の受給額一覧

厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にして、まずは厚生年金保険(以下、厚生年金)の実際の受給額を見ていきます。

厚生年金とは2階建て構造である公的年金の2階部分を指し、会社員や公務員等が加入する年金です。

これからご紹介する金額には、一階部分である国民年金の金額も含まれていることにご留意ください。

厚生年金の平均月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万4366円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

平均は約14.4万円でしたが、ボリュームゾーンは月平均で9万円から10万円です。平均値より実際の年金額が少ない人の方が多いということですね。

1万円レンジごとに見てみると、幅広い受給額があることもわかります。

男性で厚生年金が10万円未満の割合

まずは男性から「厚生年金が10万円未満」の割合を確認しましょう。

厚生年金を受給する男性は1071万人6244人。このうち、10万円以下の年金額ごとの人数は以下の通りです。

  • 1万円未満:7万2507人
  • 1万円以上~2万円未満:1万2071人
  • 2万円以上~3万円未満:5359人
  • 3万円以上~4万円未満:1万170人
  • 4万円以上~5万円未満:3万714人
  • 5万円以上~6万円未満:6万7427人
  • 6万円以上~7万円未満:16万3034人
  • 7万円以上~8万円未満:24万4810人
  • 8万円以上~9万円未満:24万2657人
  • 9万円以上~10万円未満:27万3234人

以上から、「厚生年金が10万円未満」の男性は約10.5%ということがわかります。

女性で厚生年金が10万円未満の割合

続いて女性の割合を確認します。

女性の厚生年金受給者は538万3889人。このうち、10万円以下の年金額ごとの人数は以下の通りです。

  • 1万円未満:2万8004人
  • 1万円以上~2万円未満:6884人
  • 2万円以上~3万円未満:6万1267人
  • 3万円以上~4万円未満:10万9541人
  • 4万円以上~5万円未満:9万4941人
  • 5万円以上~6万円未満:10万3206人
  • 6万円以上~7万円未満:23万8112人
  • 7万円以上~8万円未満:44万9205人
  • 8万円以上~9万円未満:69万2135人
  • 9万円以上~10万円未満:85万2107人

上記から、女性のうち「厚生年金ひと月10万円未満」は約48.9%にものぼることがわかります。

女性では約半数が「厚生年金ひと月10万円未満」ということです。

「厚生年金」なぜ男女で差がある?

ここまでの内容について、男女で違いをまとめてみます。

厚生年金月額 男性 女性
平均 16万4742円 10万3808円
ボリュームゾーン 17~18万円未満 9~10万円未満
10万円未満の割合 約10.5% 約48.9%

年金の受給額は、現役時代に納めた保険料と加入期間で決まります。保険料は報酬比例制。つまり給料が高い人の保険料は高くなり、給料が安い人は保険料も安くなるという仕組みです。

今のシニア世代では女性の賃金が安く、結婚や出産で退職することが一般的であったことから、厚生年金の加入期間も必然的に短くなっていました。

このようなことを背景として、年金額には男女差が生まれたと考えられます。

今から検討しておきたい!年金アップ術4選

ここまでの内容をヒントとして、年金額をアップできる方法を4つご紹介します。

厚生年金の加入期間を長くする

厚生年金の金額は加入月数もポイントとなります。長ければ長いほど金額もアップするため、できるだけ長く働くことを検討しましょう。

扶養内パートをしている女性は、今後制度拡大により厚生年金に加入しやすくなります。手取り額は減りますが将来の年金は増やせるため、メリットデメリットを比較して検討したいですね。

年収アップにチャレンジ

現役時代の報酬額も影響するため、スキルアップしながら昇進・転職などを視野に入れましょう。ただしフリーランスとして独立すれば、厚生年金から抜けることになります。この場合は別の備えが必要です。

繰下げ受給を検討する

年金は原則65歳から受給しますが、2022年4月からは最大75歳まで繰り下げることができます。

その分割増された額が受け取れるため、手っ取り早く受給額をあげたいなら選択肢となります。

ただしその間暮らせる貯蓄があるか、働けることが条件に。また繰下げ受給で増えた年金にも税や保険料がかかるため、額面ほど手取り額があがらないケースもあります。

国民年金の金額をあげられないかもチェック

国民年金に未納期間がある場合、年金額が減ってしまいます。追納期間中であればあとからでも納められます。

一定の条件を満たす必要があるため、しっかり情報収集することが必要です。

まとめにかえて

厚生年金がひと月10万円未満の割合は、男性で約10.5%、女性で約48.9%でした。

年金を増やす方法はいくつかあるため、条件をしっかり確認しておきましょう。

同時に自分で資産を作ることも必要です。老後に向けて、少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

LIMO編集部