女性こそ老後の年金不足に対策しておくべき理由は、寿命の長さにあります。

厚生労働省「令和2簡易生命表」によれば、女性の平均寿命は87.74歳です。
男性は81.64歳ですから、男女では平均寿命に6.11年の差があることになります。

この男女差は昭和22年には3.90年でしたので、今後も女性の老後はますます長くなっていくことでしょう。

長生きは素晴らしいことですが、生きるにはお金がかかるのが人間社会です。

今回は、女性の寿命にフォーカスして年金生活について考えてみましょう。

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平均寿命と健康寿命からみる女性の年金

先述したとおり、女性の平均寿命は87.74歳です。

一方、女性の健康寿命は令和元年の統計で75.38歳となっています。
健康寿命は「日常生活に制限のない期間」、一言でいえば人の助けがいらない状態を指します。

つまり、平均寿命と健康寿命の差が長いほどデイサービスや介護施設、家族の支援を受ける身体の状態が長期化することになります。

厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」を参考にすると、女性の平均寿命と健康寿命の差は平成13年から一貫して12年以上となっています。

12年もの期間、生活の一部または全部の介護を受ける状況が続けば相当な出費です。

特養などの公営の施設は安価で入所できることで知られていますが、応募が殺到し数年待ちということも珍しくありません。

身体の自由が効かず、年金だけでは一般の介護施設の費用は払えないとなれば、家族(主に子ども)にしわ寄せがいくことになるのは容易に想像がつきます。

最近ではシングルを貫く女性も増えていますが、その場合はさらに茨の道を歩むことになるでしょう。

自分を守れるのは自分だけということですから、人生の最後にお金がなくて苦労するという事態は避けたいですよね。

今後も年金制度が変わる可能性はありますが、老後収入の土台である年金額に見立てをつけておくことが女性の年金問題対策の第一歩であることは間違いありません。