共働き世帯が主流となった現在ですが、厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、子供がいる世帯で仕事をしていない女性、すなわち専業主婦である割合は27.6%とのこと。

専業主婦は少数派ということになりますが、子どもの育児だけでなくその他やむを得ない理由から専業主婦を選ばざるを得ないという方も中にいらっしゃるかもしれません。

女性が専業主婦を選ぶ場合、やはり大きく影響するのは世帯としての年収でしょう。

私は以前、生命保険会社に勤務しファイナンシャルプランナーとして多くのみなさんのお金にまつわる相談を受けてきました。その経験もふまえ今回は、専業主婦世帯に視点をあてて、その年収や貯蓄事情などを紐解きながら、老後のお金の備え方についてお話をしていきたいと思います。

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「夫のみ有業世帯」その平均年収は677万円

専業主婦世帯の一般的な年収や、貯蓄や負債といったお財布事情を確認していきましょう。

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2020年」を参考に、「夫のみ有業世帯」の平均をみていきます。

専業主婦世帯の年間収入と家庭のようす

  • 年間収入:677万円
  • 世帯主の年齢:49.5歳
  • 世帯人員:3.22人(18歳未満人員1.05人)
  • 持家率:77.1%

専業主婦世帯の年収は677万円でした。また、持ち家率は8割近く、大学進学を控えた18歳未満のお子様が1人以上いることもわかりました。

それでは、貯蓄や負債はどうでしょうか。

専業主婦世帯のお財布事情

平均貯蓄額:1488万円

〈内訳〉
金融機関:1444万円

  • 通貨性預貯金:543万円
  • 定期性預貯金:415万円
  • 生命保険など:292万円
  • 有価証券:194万円

金融機関外:43万円

平均負債額:898万円(うち、住宅・土地のための負債847万円)

純貯蓄額:1488万円-898万円=590万円

平均貯蓄額は約1500万円になり、まとまった貯蓄があることが分かりました。一方の負債は、住宅ローンがおよそ800万円残っています。

貯蓄から負債をひいた純貯蓄額が約600万円となりました。