ケース2.確定申告でないと手続きできない3つの控除
勤務先に提出する年末調整の書類に記載欄がない控除は、自分で確定申告する必要があります。「医療費控除、寄付金控除、雑損控除」の3つです。
- 雑損控除…火事や水害などの災害や盗難などにあった場合に受けられる控除
- 医療費控除…自分と家族の医療費を10万円以上支払った場合受けられる控除
※所得が200万円未満の場合、医療費の5%の金額が控除となります。
- 寄附金控除…ふるさと納税など特定の市町村・団体に寄付した場合の控除
なお、ふるさと納税はワンストップ特例を利用した場合、確定申告は不要です。ワンストップ特例を利用した場合でも、医療費控除するために確定申告することになった場合はワンストップ特例は無効になるので、ふるさと納税の分も合わせて確定申告しましょう。
「医療費控除」は勘違いや知られていないことが多いので、少し詳しく説明します。
医療費とは、領収書をもらった金額だけでなく、往復の交通費も加算できます。ただし基本的にタクシー代や自家用車の駐車場代、ガソリン代は含めることはできません(やむを得ずタクシーを利用せざるを得ない場合は対象になることもあります)。公共交通機関の運賃のみですが、通院日が多い場合は大きな金額になります。
また、入院や通院したことで生命保険金を受け取った場合には、その金額分は控除できませんので注意しましょう。
医療費控除で戻ってくる税金はさほど大きな金額でもありません。年収350万円(家族構成等の控除により異なりますがここでは所得税率5%と仮定します)の人が80万円で歯科矯正したケースの場合を計算しましょう。
(80万円-10万円)×5%=3万5000円の所得税が還付され、住民税は7万円軽減
80万円払って還付があると、医療費控除の確定申告をして3万5000円しか戻ってこなかったと嘆くかもしれませんが、住民税も軽減されることも知っておきましょう。