「損切り」はしない方が賢明

「損が出たら、損切りすべき?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、つみたてNISAの場合、そのまま持ち続けておく方が賢明だと考えられます。つみたてNISAにラインナップされているようなインデックス投信の場合、今は価格が下がっていても、将来的にはまた上がる可能性が十分にあります。

また、つみたてNISAで注意しておきたいのは「損益通算」と「損失の3年間の繰越控除」です。つみたてNISAで損をしていても、つみたてNISAの損失と一般口座(課税口座)の利益の損益通算はできません。また、一般口座では損失が出た年から3年間、その後発生した利益と損益通算をして税金を減らすことができますが、つみたてNISAはもともと非課税のため3年間の損失の繰越控除はありません。

つみたてNISAでは「損益通算」と「損失の3年間の繰越控除」が使えないため、損切をするメリットは多くありません。逆に、つみたてNISAでは今後さらに長期投資を続けるうちに、価格が上がり、利益を増やせる可能性もあります。

じっくり待つという意識を

基本的に、つみたてNISAでは証券会社の自動買付サービスを利用し、お任せで運用しておくのがおすすめです。たとえば、1年に1回くらいどのくらい儲かっているのかをチェックするくらいの方が、ストレスなく長期投資を続けることができます。本当にお金が必要になるまで、基本的には手を付けずに運用していきましょう。

なお、20年間の非課税期間が終了した場合は「つみたてNISAの残高を売却をするか、課税口座に預かりを移すか、つみたてNISAの残高を現金化してそれを元手に新しく積立投資を始めるか」が選べます。20年後の相場や運用成績を見て、預かりをどうするかを検討しましょう。

特に投資初心者の方は、毎日の値動きが気になって「売り時に悩んでしまう」という人もいるかもしれません。しかし、つみたてNISAは20年間の長期マラソンです。すぐに息切れしないために、お金が必要になるその時までじっくりゆっくり待つように心がけましょう。

参考資料

下中英恵FP事務所 下中 英恵