もうすぐ年度末。1年の中でも節目となるこの時期は、これまでの貯蓄を振り返ったり、今後の生活を考えたりするのに良い時期です。

50代の方は働き盛りである一方、老後が視野に入ってくる年代でしょう。順調に仕事を続けていれば、収入も増えて貯蓄額はこれまでの最高額になっているはず……ですが、思ったようにいかないのが現実です。住宅ローンや教育費を払ったり、思うように貯められなかったりする方もいます。

実際に50代はどのくらい貯蓄があるのか、データから見ると意外な結果に驚くでしょう。あわせて50代から老後資金を増やす方法についてもご紹介します。

50代の貯蓄額「平均と中央値」は?

まずは金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」から、50代の貯蓄額の平均値と中央値を見てみましょう。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」をもとに筆者作成

平均値を見て、皆が思った以上に貯蓄をしていることにショックを受けた人もいるかもしれません。しかしこの場合の「平均値」は、一部の富裕層の貯蓄額の多さによって引き上げられる傾向があるため、実態を表す数値にはなっていません。

そこで貯蓄額を低い世帯から順に並べた時に、ちょうど真ん中にくる世帯の貯蓄額を表した「中央値」がより実態に近いものとなります。ただ、実はこれについても中央値だけではあまり参考にならないのです。