7月は冷房代がかさんだり、夏野菜が高騰したり、通院の機会が増えたりと、シニア世代にとって生活費が増えやすい時期です。そんな中で、あまり知られていないのが「申請すれば受け取れる」給付金や手当の存在です。

たとえば、年金生活者支援給付金や加給年金、高年齢雇用継続給付など、老後の暮らしを支える制度はたくさんあります。ただ、情報を知らないまま受け取っていないというケースも少なくありません。

この記事では、シニア世代が対象となる主な給付制度を整理しています。支給条件や確認しておきたいポイントについても触れていますので、今からでも使える制度があるか、ぜひ一度確認してみてください。

1. 【シニア世代が対象】国から受け取れる「お金」は何がある?

国や自治体では、さまざまな「給付金・補助金・手当」が用意されています。

ここでは、シニア世代が対象となる「申請によって受け取ることができるお金」の中から、代表的な制度を5つ取り上げて紹介します。

  1. 高年齢雇用継続給付
  2. 再就職手当
  3. 高年齢求職者給付金
  4. 年金生活者支援給付金
  5. 加給年金

1.1 申請しないと受け取れないお金1:高年齢雇用継続基本給付

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の方が就労を続ける際、60歳時点より賃金が下がった場合に支給される制度です。

なお、2025年4月以降からこの給付の支給額が引き下げられており、利用にあたってはその変更点にも留意する必要があります。

  • 対象者:雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の雇用保険の被保険者
  • 支給要件:賃金が60歳時到達時の75%未満
  • 支給額:最高で賃金額の10%相当額(2025年4月から)
  • 申請先:在職中の事業所を管轄するハローワーク

老齢年金を受給しながら、厚生年金保険に加入しつつ「高年齢雇用継続給付」を受け取るケースもあります。

このような場合には、在職による年金の一部支給停止に加え、標準報酬月額の最大6%が支給停止となる可能性があるため、注意が必要です。