普段なかなか気付かないものですが、家計の貯蓄や負債に大きな影響を与えるのが「ライフステージ」による変化です。

特に出産や育児により女性が働き方をセーブすることや、教育費や住宅ローンが与える影響は想像以上に大きいもの。家計のバランスシートを考える上では、今の生活だけでなく、ライフステージによる変化を見据えると良いでしょう。

今回は総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2020年(令和2年)平均結果―(二人以上の世帯)」より、20~70代の貯蓄・負債を見ながら、ライフステージが家計に与える影響をみていきます。

【関連記事】厚生年金「ひと月15万円以上」の男性の割合はどのくらいか

2011~2020年の貯蓄中央値の推移

まずは同調査をもとに、貯蓄現在高の推移を2011~2020年まで見ていきましょう。

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)『Ⅰ 貯蓄の状況 』」

2020年の貯蓄現在高は1791万円。

2015~2017年には1800万円を超えましたが、それ以降1700万円台です。しかし2020年には微増しており、これはコロナ禍により消費が抑えられたことなどが影響しているでしょう。

中央値をみると1061万円。中央値は2011年には991万円でしたが、それ以降は1000万円台で推移しています。

では、年代別に貯蓄現在高をみていきましょう。