硬派なオフロード車であるスズキ・ジムニーが人気の理由は?

発表時から依然として高い人気を誇る4代目スズキ・ジムニー。人気の理由には様々な意見がありますが、一番の理由は、ジムニーのコンセプトを変えずに、プロが使う道具としての機能を追求したのが、多くのユーザーに惹かれたのでしょう。

これは、自動車以外でも言えますが、非常に頑丈でタフな腕時計やラリーレイドで活躍するアドベンチャーオートバイなど、高機能で洗練されたプロ向けの道具は、本来想定しているユーザーだけでなく、プロ向けの道具の存在感に興味を持ち、あえて普段使いを行い、道具の魅力を楽しむ人も少なくありません。

ジムニーのデザインはお洒落だと言われていますが、実はお洒落を狙ったデザインではありません。

例えば、エクステリアは1981年に登場した2代目ジムニーに近い角張ったボディデザインですが、水平基調なキャラクターラインは、本格的なオフロード走行を行う時に、車両の姿勢を把握しやすくするためです。

ガラス面を立てたボディ形状も、雪が溜まりにくくしたためで、単純なレトロ基調のデザインではなく、ジムニーのコンセプトを追求した結果なのです。

 

現代の乗用車と比較すると飾り気が無いインテリアも、水平基調のインストルメントパネルは、オフロードなどで車両姿勢を把握しやするため。反射を抑え、傷や汚れが目立ちにくい表面処理や、乗り降りのしやすさをサポートする助手席乗降グリップを採用するなど、機能性を重視しているためです。

価格の安さもポイントに

また、このような本格オフロード車としては、車体価格が安いのも注目すべき所でしょう。

一番安いグレード「XG 5MT」の価格は148万5000円と、本格的なオフロード車としては安価です。車体もコンパクトで維持費も安いため、セカンドカーとして使われることも少なくありません。

ジムニーに限らず、昭和の時代のオフロード車は、エアコンやパワーステアリングが無いなど、街中での走行性能を犠牲にしてもオフロード性能を重視した車種が少なくありませんでした。

しかし、現代のオフロード車は、街乗り性能も重視しているのが一般的です。4代目スズキ・ジムニーも、オートマチックトランスミッションやオートエアコン、衝突被害軽減ブレーキなどを搭載した安全運転支援システム「スズキ・セーフティサポート」、高速走行時や長距離ドライブをサポートするクルーズコントロールシステムなどを搭載することができるため、かつてのオフロード車と比較すると普段使いしやすくなっています。