年金改定の新ルールにより2021年4月から受け取れる年金額は前年度よりも引き下げられました。物価変動率や賃金上昇率などにより改定率が毎年見直されます。
今後もこの年金制度を持続し、給付水準を確保するための改定とは言え、不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
特に20年、30年後に老後を迎える方にとってしてみては、そんな先の未来の社会や経済がどうなっているかわかりません。言うまでもなく、しっかりとした老後の備えはしていきたいものです。
今回は、現在の国民年金と厚生年金の最新データをもとに平均額を探ってみます。これから老後資金の準備などを検討されている方は是非参考にしてみてください。
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【国民年金・厚生年金】そもそもの制度は
まずは簡単に、日本の年金制度をおさらいしましょう。国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1階部分は「国民年金」・2階部分は「厚生年金」
1階部分は、日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入する国民年金(老齢基礎年金)で20歳以上の国民は加入が義務とされています。そして2階部分は、会社員や公務員が上乗せして加入する厚生年金です。
年金保険料を納めることで、将来下記の年金を受け取ることができます。
- 自営業や専業主婦(主夫)など…国民年金のみ
- 会社員や公務員など…国民年金と厚生年金
国民年金の保険料は一律で、2021年度は月額1万6610円。こちらを40年間全納すれば、満額(※1)が受給できる仕組みです。
※1 国民年金の満額:6万5075円(2021年度・月額)
一方で厚生年金は、現役時代の年収に応じて保険料が決まります。納めた保険料と加入期間によって受給額が変わるため、人によって差が出やすいのが特徴です。
それでは、実際に受給している方の平均年金月額を国民年金から見ていきましょう。参考にするのは厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(最新データ)です。
国民年金の受給額【平均】
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9040円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4112円
男女でほとんど差が見られません。次に受給額ごとの分布も見ていきます。
男性女性ともに、ボリュームゾーンは6万円~7万円未満です。満額が6万5075円だったので当然ではありますが、満額納められてない方も多く感じます。