日産には今、多くの注目点があります。
欧州の景気動向、新型EVの投入、仏ルノーや三菱自動車との関係性。
今回はこれらの各ポイントや直近決算を説明し、今の日産が置かれた状況を解説します。
欧州景気と販売・輸出動向
欧州連合(EU)統計局は2022年2月2日、1月の消費者物価指数(速報値)を発表しました。
前年同月比で5.1%上昇し、前月の5.0%を上回りましたが、この上昇幅は統計開始となる1997年以降で最大となりました。
物価上昇の要因としては、消費者の購買需要の拡大のほか、モノの供給制限やエネルギー価格の上昇など様々なものが考えられます。
ただ、ユーロ圏財務相会合のドナフー議長が直近で景気回復に弾みがついていることを示唆するなど、欧州の景気には明るい兆しが見えてきているのではないでしょうか。
ここで、話を日産に移します。
日産は2022年1月28日、2021年1月~12月累計の生産・販売・輸出実績の速報を発表しました。
欧州での販売台数は37万2338台(前年同期比-8.3%)と減少しました。
日本からの輸出は、8218台(前年同期比-48.5%)と、他の地域と比較して大幅に落ち込みました。
しかし、上記の通り、足元では欧州景気に明るい兆しも見えてきています。
日産は2022年1月27日、「人気のコンパクト電気自動車(EV)であるマイクラの後継車となる新型を、欧州市場に投入する」とリリースしました。
日産は欧州について、「電動化を推進する上で重要な役割を果たす地域」と捉えており、今後の動向には要注目です。