将来資金は「老後のQOL」にも直結する
今の生活でもお金がかかるのに、退職後の資金も貯めておかないといけないのでは、憂鬱に感じる方もいるでしょう。ただ、将来の資金は「老後のQOL」にも直結するのです。
例えば、介護状態になり介護認定を受けたとします。自宅介護を希望すると、利用限度額の範囲内で様々な介護サービスを受けられます。しかし、そのサービスは「日常生活に必要なもの」のみ。日々の食事は作ってもらえても、「お正月は少し豪華なおせち料理が食べたい」「年末なので窓ガラスを拭いてほしい」などは頼めません。
もし老後の資金をしっかり準備できていれば、ここで「家事代行」などを検討する余地も生まれます。ゆとりのあるセカンドライフを送るには、選択肢が多いほうがいいでしょう。そのためにも、老後の資金はしっかり準備しておく方が安心なのです。
直近の生活で必要となる貯金、例えば住宅購入資金や教育費用などとは、口座を分けておきましょう。しばらく手を付けない分、資産運用に回しておくのも一つです。
少額から始められる積立投資を選べば、リスクを分散して備えることもできるでしょう。ただし、リスクをゼロにすることはできません。しっかりと情報収集した上で、貯蓄計画を立ててみましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ第21回(厚生労働省提出資料)」
- 厚生労働省「どんなサービスがあるの? - 訪問介護(ホームヘルプ)」
太田 彩子