「老後2000万円問題」の核心

老後には、年金収入以外に2000万円が必要だと言われたことがありました。いわゆる「老後2000万円問題」ですが、最近ではこの2000万円が独り歩きしている印象です。

金融審議会の「市場ワーキング・グループ」で試算されたこの2000万円。計算の根拠を確認しましょう。

高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)

  • 実収入(主に年金):20万9198円
  • 実支出(主に食費):26万3718円
  • 月々の赤字額=約5万5000円

こちらの実支出では、住居費が約1万4000円で計算されていたり、介護費用が含まれていなかったりします。また妻がずっと専業主婦だった場合という前提条件も、今の現役世代にはあてはまりにくいかもしれません。

つまり、2000万円という数字は、必ずしも全員にあてはまる金額ではないということです。

見込める年金額、持ち家の有無、介護費用などを考えて、自分なりにシミュレーションすることが大切なのです。