「老後2000万円問題」の核心
老後には、年金収入以外に2000万円が必要だと言われたことがありました。いわゆる「老後2000万円問題」ですが、最近ではこの2000万円が独り歩きしている印象です。
金融審議会の「市場ワーキング・グループ」で試算されたこの2000万円。計算の根拠を確認しましょう。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約5万5000円
こちらの実支出では、住居費が約1万4000円で計算されていたり、介護費用が含まれていなかったりします。また妻がずっと専業主婦だった場合という前提条件も、今の現役世代にはあてはまりにくいかもしれません。
つまり、2000万円という数字は、必ずしも全員にあてはまる金額ではないということです。
見込める年金額、持ち家の有無、介護費用などを考えて、自分なりにシミュレーションすることが大切なのです。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)