近年の日本は「上がらない賃金」「税金・社会保険料の増額」「物価の上昇」と貯蓄を増やしたい人には厳しい情勢が続いています。
現役中も何不自由ない収入があるといえる方の方が少数派かもしれませんが、老後の格差はより厳しいものとなるでしょう。
月に1万円でも2万円でも将来の自分への仕送りである貯蓄は早くから始めるに越したことはありません。
銀行貯金では大した金額にならなくとも、効率的に資産を増やす方法で貯蓄をつづければ長持ちする老後資産を作ることができます。
本記事では、70代以上世帯のもつ資産と資産寿命を延ばす方法についてみていきましょう。
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老後のための貯蓄=「我慢」?老後30年時代の健康とお金
本題に入る前に、みなさんは「老後のための貯蓄」にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「いま月15万円で生活できているから老後も同じだけあれば生活できる」「我慢をしてまで貯金したくない」とおっしゃる方を一定数見かけます。
健康な間には想像するのも難しいので無理はないのですが、老後を迎えるころには何かしら体の不調を抱えている方が大半です。
見ためには分からなくとも、高血圧・糖尿病など毎日の服薬がかかせない持病や、関節疾患で定期的に通院をしている高齢者は多いのです。
若くて健康なときにはかからなかった医療費は見落としがちな生活費増になるだけではありません。
「不調を抱える老体にムチを打って働かなければ生活が成り立たない」というのは想像以上につらいものではないでしょうか。
そんな時に物を言うのはやはり「資産」です。
老後、とくに70代以降はどうしても「公的年金+資産」での生活がメインになります。
現役中であれば、少々の収入不足は副業などで働き口を増やすことで対処できますが、老後も「希望すれば働ける状態」かは疑問が残りますよね。
体力の面でも雇用の面でも希望通りにはいかない可能性を想定して備えておくことをおすすめします。