寒さが厳しくなり、新型コロナウイルスの感染も拡大しているこの時期。家にいる時間が増える今、余裕が生まれた時間で考えたいのが「老後資金」についてです。
老後資金は準備する必要性を感じていても、なんとなく不安に思うだけという方もいるでしょう。
年金の受給開始は一般的に65歳から。公益財団法人生命保険文化センターの調査によれば、老後資金を使い始める平均年齢も65.9歳です。老後スタートは65歳を目安にする人が多いと考えられるでしょう。今回は「65歳以上・無職世帯」に視点をあてて、その貯蓄事情を紐解いていきましょう。
【関連記事】厚生年金「ひと月15万円以上」の男性の割合はどのくらいか
65歳以上世帯の貯蓄分布をチェック
まずは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」より、世帯主が65歳以上世帯貯蓄の分布を確認していきます。
65歳以上・二人以上世帯の「貯蓄現在高」
- 平均値…2324万円
- 中央値…1555万円
100万円未満:7.9%、100万円以上~200万円未満:4.0%、200万円以上~300万円未満:3.5%、300万円以上~400万円未満:3.7%、400万円以上~500万円未満:3.3%、500万円以上~600万円未満:3.8%、600万円以上~700万円未満:3.4%、700万円以上~800万円未満:3.2%、800万円以上~900万円未満:2.9%、900万円以上~1000万円未満:2.5%、1000万円以上~1200万円未満:5.7%、1200万円以上~1400万円未満:4.5%、1400万円以上~1600万円未満:4.5%、1600万円以上~1800万円未満:3.1%、1800万円以上~1800万円未満:3.3%、2000万円以上~2500万円未満:8.3%、2500万円以上~3000万円未満:6.4%、3000万円以上~4000万円未満:8.7%、4000万円以上:17.3%
上記を見ると、貯蓄の平均値は2324万円です。平均は一部の大きな数値に引っ張られやすい傾向にあります。分布を見ると貯蓄を4000万円以上保有している人が17.3%いることも一因でしょう。
より実態に近い貯蓄の中央値は1555万円でした。2019年には年金以外に2000万円が必要という「老後2000万円」が話題となりましたが、中央値では2000万円に届かない結果となりました。
分布を見ると貯蓄300万円未満の世帯も15.4%います。これから生活費の不足部分を補ったり、病気や介護の可能性があったりすることを考えると心もとない結果となりました。