平均約14.4万円も、実態はピンキリ!
厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金の平均額とその分布を確認します。
厚生年金の年金月額
全体平均月額:14万4366円
- 男子平均月額:16万4742円
- 女子平均月額:10万3808円
〈男子:1071万6244人〉
~5万円未満:13万857人
5万円~10万円未満:99万1194人
10万円~15万円未満:262万1055人
15万円~20万円未満:444万7680人
20万円~25万円未満:223万4397人
25万円~30万円未満:27万4715人
30万円以上:1万6346人〈女子:538万3889人〉
~5万円未満:30万637人
5万円~10万円未満:233万4675人
10万円~15万円未満:225万2994人
15万円~20万円未満:42万7547人
20万円~25万円未満:6万3507人
25万円~30万円未満:4154人
30万円以上:375人
ボリュームゾーンを比較してみると、男性が15~20万円未満、女性は10~15万円未満になります。平均は約14万円でしたが、男女別に見るとおよそ6万円もの差があることが分かりました。
厚生年金を月20万円以上受給している割合を見ると、男性は約23.6%、女性は約1.26%。男性はおよそ4人に1人と、決して多い人数ではありません。女性にいたっては約1%とかなり少数派なことが分かります。
また、厚生年金を月30万円以上受給している人に絞ると男性約0.15%、女性約0.007%です。
男女差の要因としては、女性は育児や介護でキャリアを諦める傾向にあることが影響しているでしょう。また、男性に比べると賃金も低い傾向にあります。
OECDの「男女間賃金格差」(男性所得の中央値に対する男性と女性の所得中央値の差)によれば、日本は22.5%。1位の韓国31.5%、2位のイスラエル22.7%に次いで3位です。こういった面も、実は老後の格差につながっていると考えられます。