根深い格差に今から対応する方法は?
年収は年金だけでなく、貯蓄格差に繋がる可能性もあります。「年収が多いほど貯蓄ができる」というイメージもありますよね。
ただ、実際はそうとも言い切れないでしょう。貯蓄については家族の人数や共働きか片働きか、住んでいる地域や教育水準、居住形態、生活水準などによっても左右されます。
大切なのは「自分はいくら年金を受給できそうで、老後のためにいくら貯蓄する必要があるのか」を具体的に考えることでしょう。
ご自身の年金予定額については、ねんきんネットなどが参考になるので確認してみましょう。「自分の年金受給額では老後生活ができない」と気付いたら、「自分で年金を作る」「貯蓄をする」この2つがポイントです。
将来いくら貰えるかわからない公的年金だけでなく、自分で積み立てて年金を作る私的年金も準備すると安心度も高まります。iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険などで準備をするといいでしょう。
2019年には年金以外に老後2000万円が必要という「老後2000万円問題」が話題となりました。貯蓄についてはまとまった金額になると考えられるので、早いうちから始めるといいでしょう。
まずは預貯金でしっかり貯めることが大切です。ただ、教育費や住宅ローンなどの出費があるご家庭では、貯金のみで老後資金を準備するのは難しい場合もあるでしょう。
その場合は、一部に資産運用を取り入れるのも一つ。運用にはリスクがありますが、一方で「お金に働いてもらう」ことも可能です。たとえば「毎月3万円・年利3%・20年間」で運用できた場合、元本720万円が約984万円にふくらみます(金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算)。
老後資金が足りなさそうと気付いたら、資産運用を取り入れて賢く増やしていくのもいいでしょう。おうち時間のできるこの時期に、まずは情報収集からはじめてみてくださいね。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします 」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- OECD「男女間賃金格差」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
宮野 茉莉子