年収500万円未満の貯蓄分布は?
では、実際に年収500万円未満の方はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」より、今回は世帯年収300万円未満と300~500万円未満に分けて、それぞれ二人以上世帯の貯蓄分布を確認します。
年収300万円未満・二人以上世帯の貯蓄
平均907万円・中央値300万円
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:6.6%
- 100~200万円未満:5.7%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:3.2%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:8.9%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:4.9%
- 2000~3000万円未満:6.0%
- 3000万円以上:8.9%
- 無回答:3.4%
世帯年収300万円未満では、金融資産非保有世帯がおよそ3割を占めます。
平均貯蓄額は907万円ですが、こちらは一部の大きな金額に引っ張られやすい傾向にあります。
より実態に近い中央値の貯蓄額は300万円でした。
年収300~500万円未満・二人以上世帯の貯蓄
平均1079万円・中央値420万円
- 金融資産非保有:17.9%
- 100万円未満:8.4%
- 100~200万円未満:7.3%
- 200~300万円未満:7.8%
- 300~400万円未満:4.9%
- 400~500万円未満:5.5%
- 500~700万円未満:7.4%
- 700~1000万円未満:6.4%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.5%
- 2000~3000万円未満:8.5%
- 3000万円以上:8.4%
- 無回答:2.3%
世帯年収300~500万円未満では、貯蓄ゼロ世帯は17.9%に下がります。ただ貯蓄100万円未満でみるとおよそ26%で、4世帯に1世帯となりました。貯蓄の中央値は420万円です。
上記は一般的な結果なので、ご家庭により状況は変わります。先ほどのコメントでみられたように、物価が上昇したり残業代がなくなったりといったことも家計へ大きく影響しているでしょう。
まだ年が明けたばかりで、今年の先行きは見えません。ただコロナ禍1年目に比べれば、だんだんとその様子も変わってきています。
家計については引き続き厳しい状況が続く可能性もありますが、新年のこの時期に家計の見直しなどの対策を考えておくとよいでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「オミクロン株の国内発生状況について」
- PRTIMES「【2022年の家計は?収入の増やし方は?】「苦しくなる」50.2%、収入増やすなら「ポイントためる」41.9%~就労志向の主婦・主夫に調査~」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年)」
- 国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」
宮野 茉莉子