50代というと、バブル全盛期に社会人として働いていたという方も多いでしょう。株価や不動産価格が高騰を続ける中、銀行金利も高い水準でした。
日本銀行の統計によると、1990年9月17日~1991年7月28日のピーク時の定期預金(1年)の年利率は6.08%、それに対して現在の定期預金(1年)は平均0.003%です。
現在、平均年利率0.001%程度の普通預金も、定期預金の利率ピーク時であれば年利率2.08%でした。ほぼリスクのない状態でお金を増すことができたのです。当時を知らない世代にとっては、にわかに信じがたいかもしれませんね。
そんな時代を経験した50代は、そろそろリタイヤ間近の「プレ年金世代」とも呼べるフェーズ。
今回は、そんな50代世帯の貯蓄事情を紐解きながら、老後のお金の備え方(※編集部注)についてお話ししていきます。
【※参考記事】50歳を超えてから「月30万円の不労所得」を作る4つの方法
50代の貯金事情は?
さっそく、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年調査結果」から、50代の金融資産保有世帯の貯蓄額を見てみましょう。
平均…1684万円
中央値…800万円
「平均」は一部の極端に大きい値に引き上げられる傾向があります。一方で、中央値は貯蓄額を少ない順、あるいは大きい順に並べたとき全体の真ん中にくる値で、平均よりも実態を反映しやすいと言われています。
貯蓄額は中央値で800万円。また、2000万円のラインを超えているのは全体の24.6%です。
いわゆる「老後2000万円問題」をきっかけに、この金額はしばしば老後資金の一つの指標とされるようになりました。しかし、現実は厳しいという印象を受ける方が多いかもしれません。