「標準的な年金受給額」を世帯のタイプごとに比較
ここまでは「ひとり分」の年金額を、男女別に見てきました。現役世代の年金加入状況により、老後の受け取り額には大きな差が生じることが分かりましたね。
さて、老後のマネープランを立てる場合は、世帯単位の年金額もぜひ把握しておきたいところです。
そこで、国民年金・厚生年金ともに、男女それぞれの平均月額(前述)を受給した場合を想定して、シングル世帯・夫婦世帯別の受給額を出してみます。
シングル世帯の標準的な年金額
- 厚生年金(男性):16万4742円
- 厚生年金(女性):10万3808円
- 国民年金(男性):5万9040円
- 国民年金(女性):5万4112円
シングル世帯の場合は、ひとり分の年金額なので把握しやすいですね。国民年金のみを受け取る場合や、女性のおひとりさま世帯は、年金プラスアルファの老後資金をしっかり準備しておく必要がありそうです。
では、夫婦世帯についても見ていきましょう。
夫婦世帯の標準的な年金額
- (夫)厚生年金 +(妻)厚生年金:16万4742円+10万3808円=26万8550円
- (夫)厚生年金 +(妻)国民年金:16万4742円+5万4112円=21万8854円
- (夫)国民年金 +(妻)厚生年金:5万9040円+10万3808円=16万2848円
- (夫)国民年金 +(妻)国民年金:5万9040円+5万4112円=11万3152円
夫婦の受給パターンによってだいぶ差がつきますね。「夫婦で厚生年金」と「夫婦で国民年金」の世帯を比較するとその差は2倍以上。
現役時代の働き方などが老後の年金額を大きく左右する点についても確認できました。
ただしこちらはあくまでも「平均月額」を基にした試算です。
厚生年金を受け取れる人でも、出産・育児・起業・独立などで年金加入期間が短かった場合などは、想定外に年金額が低くなる可能性も念頭に入れておく必要があるでしょう。
まずはねんきん定期便やねんきんネットを活用して自分の受給額見込み額を確認しておきましょう。
老後に必要となるお金は人それぞれ。住まいの環境や家族構成、そして何よりも健康状態に左右される部分が大きいでしょう。日頃の家計収支を把握し、「わが家の場合はどのくらい必要か」という視点で、マネープランを立てていきたいものですね。