2022年が始動しました。
コロナ禍で1年遅れの開催となった東京五輪の余韻がまだ冷めやらぬ方も多いかもしれません。2月の北京五輪でも、「金(メダル)」を目指す選手たちのドラマが繰り広げられるでしょう。
さて、同じ「金」でも、やや見通しの悪いのが、私たちの老後の「年金」事情(※編集部注)。
2021年12月、厚生労働省年金局が「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を公表しました。
この「年金」について現在の受給額を世帯別に分析し、将来に対して明るい見通しができるヒントを解説していきます。
【※参考記事】厚生年金「ひと月25万円以上」受給する人の割合は?
年金制度は2階建て
「日本の公的年金制度は2階建て」などと言われますね。まずは、年金制度のあらましを確認しましょう。図をごらんください。
1階部分は年金制度のベースとなる「国民年金(基礎年金)」、2階部分は「厚生年金」です。それぞれの受給額などについて、次で詳しく見ていきます。
1階部分「国民年金(基礎年金)」の受給額はいくら?
国民年金(基礎年金)は、日本に住む20歳~60歳までのすべての人が加入します。全期間(40年間)保険料を支払うと、老後に満額の年金を受け取れるしくみです。
また、年金保険料の未納期間分に応じて年金額が満額から差し引かれます。よって、老後実際に受け取る年金は「全員が同じ金額」という具合にはいきません。
※2021年度の国民年金の満額は月額6万5075円、国民年金保険料は月額1万6610円です。
では、実際の基礎年金額はいくらなのかをみていきましょう。「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照にします。
国民年金の年金月額(2021年末)
全体平均年金月額:5万6252円
- 男子平均月額:5万9040円
- 女子平均月額:5万4112円
男女全体の平均月額は、先ほど触れた国民年金の満額(6万5075円)より1万円ほど低いですね。男女の平均月額の差はさほど大きくありません。