住宅ローン金利は史上最低を更新
「逆ざや」是正のため、控除率が0.7%に引き下げられた住宅ローン控除。
しかし、2021年12月にはauじぶん銀行が変動金利0.289%に引き下げ、過去最低値を更新しました。他行も変動金利0.3%、0.4%で住宅ローンを融資している今、控除率が0.7%になってもなお逆ざや現象の解消とはいきません。
そもそもバブル期を超える価格で不動産が取引されているのは、この超低金利があってこそ。バブル期と価格が同じだとしても、当時の金利水準を考えれば今の返済額は非常に低いものです。賃金が上がらない日本において、住宅ローン控除の縮小以上に不動産需要に大きく影響するのは金利水準だと考えられます。
世界的に金融引き締めの傾向!日本は……
住宅ローン金利は、金融政策の影響を大きく受けます。
2021円11月、消費者物価指数が前年同月比上昇率6.8%となった米国では、2022年に3回の利上げを行う見通しを示し、英国も利上げを発表しました。しかし、目標として掲げる「物価上昇率2%」がいまだ達成できていない日本。各国が金融を引き締めている中、日銀の黒田総裁は次のように発言しています。
日本の物価上昇率は一時的な要因やエネルギーを除いてもプラス0.5%程度で、23年度でも1%程度の伸びにとどまる。2%の物価目標を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける。
(引用:日経新聞)
2022年も住宅ローンの金利水準が維持され続けるとすれば、不動産需要が大きく落ち込むことはないと推察します。
参考資料
- 自由民主党・公明党 令和4年度税制改正大綱
- 日経新聞「不動産経済研究所、11月の首都圏の新築分譲マンション市場動向を発表」
- マンションナビマガジン「2022年中古マンション価格はどう推移する?金利・インフレ・2022年問題の影響は」
- auじぶん銀行
亀梨 奈美