実際に残るのはいくらか?

まずは、損益計算書からご覧下さい。(図表を参照)

【図表】不動産投資のシミュレーション

損益計算書は、利益を計算するものです。

家賃収入から、固定資産税、管理費、修繕費その他、借入利息、減価償却費の経費を引き、青色申告者の特典である青色申告特別控除65万円を引きます。

そうして計算されたものが、不動産所得323万円となります。

次に、キャッシュフローをご覧ください。(図表を参照)

キャッシュフローとは、利益ではなく、実際に手許に残るお金を計算します。

家賃収入から、固定資産税、管理費、修繕費その他、借入利息を引きます。ここまでは損益計算書の利益計算と同じですが、キャッシュフローの計算では、この後元本返済を引くことになります。

元本返済は経費にはなりませんが、キャッシュアウトすることになるため、ここで控除しています。逆に、損益計算書に記載された減価償却費はキャッシュアウトしないのです
が、経費としてカウントできるものになります。

先ほどの損益計算書で求めた不動産所得323万円に所得税住民税率30%を掛けることで、
100万円の所得税住民税が計算されます。これをキャッシュフローから引くことで、物件保有中の税引き後の手残りがおよそ220万円であることがわかります。

物件価格が1億円であることを考えると、物件価格の約2.2%のキャッシュフローが得られている計算になりますが、この時点では投資として成功していると思います。もしも、不動産投資だけで年間のキャッシュフロー1000万円を目標とするならば、同じような物件を5棟購入し、5億円くらい借入をしなければならないということですね。